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厚生労働白書より「近年の社会経済の変化と家計の動向」部分を抜粋します。
巷間よく言われている身近な話題を数字を統計で読み取れます。
(要点)
○ 我が国は、今後、一層少子高齢化が進行し、人口構造そのものが大きく変化していくとともに、
これに伴い、労働力人口の減少や我が国経済社会の持続的発展への影響が懸念されている。
○ 企業は、正規従業員の賃金制度は業績・成果主義的方向に見直しつつ長期雇用を今後も維持する
傾向にある。正規従業員以外の雇用者は増加している。若年層では、正規従業員以外の雇用者割合
が上昇しており、雇用者所得の格差の拡大の動きが見られた。
○ 労働時間の長短二極化の傾向が見られ、子育て世代の男性では長時間労働の者の割合が20%程
度と高止まりしている。また、仕事をしている女性のうち、約7割が出産を機に離職している。
○ 家計ベースでの近年の所得格差の拡大(世帯総所得のジニ係数の上昇)は、高齢化といった「年
齢構成の影響」が最も大きな要因である。若年層については、今後、これらの者が独立した世帯を
営むようになる際に所得格差の拡大につながることがないよう、引き続きフリーターの常用雇用化
などに取り組むことが重要である。
第1節 人口構造等の変化
1 人口構造の変化
○ 我が国は2005(平成17)年に人口減少局面に入ったが、今後、一層少子高齢化が進行し、本格
的な人口減少社会になる見通しである(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成
18年12月推計)」)(以下「新人口推計」という。)。
○ 新人口推計の結果については、少子化や人口減少の進行という側面だけでなく、我が国の人口構造
そのものが大きく変化していくことに注目しておかなければならない。2030(平成42)年には、
高齢化率は31.8%と国民の約3人に1人が65歳以上の高齢者となり、2055(平成67)年には高齢
化率は40.5%と4割を超える見込みである(図表2−1−1)。

2 労働力人口の減少
○ 人口構造の変化に伴い、労働力人口の減少や我が国経済社会の持続的発展への影響が懸念されている。
○ 仮に、労働力率が2006(平成18)年と同水準で推移した場合には、労働力人口は2030(平成
42)年には2006年と比較して約1,070万人減少することが見込まれているが、今後、各種の雇用
施策を講ずることにより、労働市場への参加が進んだ場合には、労働力人口の減少は約480万人にと
どまることが見込まれている(図表2−1−2)。

○ 一方、新人口推計の前提となっている今後の結婚や出産の動向(1990(平成2)年生まれの女性
の生涯未婚率23.5%、夫婦完結出生児数1.70人、2055(平成67)年の合計特殊出生率1.26)と、
国民が希望する結婚や出産(約9割が結婚を希望、希望子ども数2人以上)には大きなかい離が存在
しており、国民の希望する結婚や出産・子育てを実現する社会経済環境を整備することが不可欠とな
っている。
3 家族形態や地域社会の変化
○ 単独世帯は今後も増加を続け、2030(平成42)年には世帯主65歳以上世帯のうち37.7%を占
める見込みである。単独世帯は社会的リスクに弱く、また、今後、地域社会の維持が難しい状況が増
加することも懸念される。
第2節 労働環境の変化
1 業績・成果主義的賃金制度の導入など我が国雇用慣行の変化
○ 企業は、正規従業員の賃金制度を業績・成果主義的方向に見直しつつ、長期雇用を今後も維持する傾向にある。
2 正規従業員以外の雇用者の増加
○ パート、派遣、契約社員等の正規従業員以外の雇用者の人数は増加しており、2003(平成15)
年以来、雇用者(役員を除く)の3割を超えている(図表2−2−2)。これらの就業形態は、正規の
職員・従業員に比べて、相対的に収入が低くなっている(図表2−2−3)。


○ 不本意ながら正規従業員以外の職に就いている者が近年増加の傾向が見られる(「正社員として働
ける会社がなかった」が14.0%(1999(平成11)年)→25.8%(2003(平成15)年)。
3 若年層の就労・生活状況
○ 若年層で、正規従業員以外の雇用者割合が上昇している(図表2−2−5)。

○ フリーターの数を見ると、2007(平成19)年は181万人となっており、2003(平成15)年の
217万人をピークとして、4年連続で減少してきているが、25〜34歳の年長フリーター層は2004
(平成16)年に99万人となった後、2007年においても92万人となっており、15〜24歳層に比べ
て改善に遅れが見られる。
○ 若年層の雇用者所得の状況について、1992(平成4)年と2002(平成14)年の比較においては、
20歳代では所得が150万円未満の層と500万円以上の層の割合が上昇しているなど、所得格差の拡
大の動きが見られた。より最近の動向については、25〜34歳層では、2001(平成13)年から
2004(平成16)年にかけてのジニ係数の上昇幅が他の年齢階級に比べて高くなっていたが、
2005(平成17)年はやや低下している。
○ 「フリーター属性を持つ者」(卒業者で、配偶者を持たないパート・アルバイト就業者又はパー
ト・アルバイト就業希望者)は、独立せずに世帯内にとどまる割合が15〜34歳計で7割強、30〜
34歳でも約6割と、「正規従業員」や「非正規従業員」に比べて高い。
○ 若年無業者(15〜34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない者)の人数については、
2007年には62万人と前年と同水準で、ピークの64万人(2002(平成14)年〜2005(平成17)
年)から2万人減となった。同年齢人口に対する比率
4 仕事と生活の調和
(若者や母子家庭の母等の経済的自立)
○ 若年層では正規従業員以外の雇用者の増加を背景に雇用者所得が低い者が増えており、また、母子
家庭の母の年間平均収入額は大きな改善は見られておらず、こうした層に対する就労支援が引き続き
重要である。
(健康で豊かな生活のための時間の確保)
○ 就業時間が週35時間未満と週60時間以上の雇用者割合を見ると、労働時間の長短二極化の傾向が見られている。また、週60時間以上の雇用者割合を見ると、子育て世代に当たる30歳代や40歳代
の男性では20%程度と高止まりしている。
○ 一方、仕事と生活のどちらを優先しているかについての労働者の意識を見ると、現在の状況として
は「どちらかといえば仕事」と考える者の割合が高いが、これからの希望優先度については、生活の
優先度が高まる傾向にある。
(女性や高齢者の就業環境の整備)
○ 子どもが1人の世帯について、その子の出産前後における女性の就業状況の変化を見ると、それま
で就労していた女性の約7割が出産を機に離職している(図表2−2−14)。

○ 高齢者については、「年齢に関係なくいつまでも働きたい」とする者が男性で約3〜4割、女性で約
2〜3割存在しており(2004(平成16)年)、引き続き、高齢者の体力や就業意欲の多様性に対応
した雇用機会の確保に向けて、取組みを進めることとしている。
第3節 家計の動向
1 家計構造の状況
<家計収支>
○ 勤労者世帯の家計収支は平均で見ると黒字だが、高齢無職世帯では一部金融資産の取り崩しで対応しており、働ける期間は働くことによって所得を確保し、引退後は年金を中心に貯蓄もいかしながら
生活するという姿がうかがえる(図表2−3−3、図表2−3−5)。

2 家計から見た所得格差の動向と社会保障による所得再分配効果
<所得格差>
(家計の所得格差の全体的動向)
○ 所得格差を把握するための代表的な指標であるジニ係数については、世帯規模調整前の総所得でも、世帯総所得を世帯員数の平方根で除した(注1)世帯規模調整後の等価総所得でも、1995(平成7)年から2004(平成16)年までは上昇しているが、2005(平成17)年は若干低下している(図表
2−3−13)。

(近年の世帯総所得のジニ係数上昇の要因)
○ 1995年から2004年までの世帯総所得のジニ係数の上昇の要因を分析すると、おおよそ6割強が
世帯主の高齢化といった「年齢構成の影響」となっており、近年のジニ係数の上昇は、これが最も大
きな要因であったことが分かる(図表2−3−18)。

(家計から見た所得格差の動向のまとめ)
○ 高齢者のジ二係数は、他の年齢階級に比べて高い水準となっており、今後、所得格差が他の年齢階級に比べて高い水準となっている高齢者の増大に伴い、引き続き、持続可能で安心できる年金制度など、高齢期の経済的基盤を確保するための施策を推進していく必要がある。
○ 若年層については、等価総所得で見たジニ係数は、親世帯に同居している者も含めた世帯員ベース
はほぼ横ばいであったが、2004年から2005(平成17)年にかけて、やや低下している。
若年不安定就業者が世帯内にとどまっている限りこれらの者の低い所得は所得格差に反映されにく
いものの、今後、これらの者が独立した世帯を営むようになる際に所得格差の拡大につながることが
ないよう、引き続きフリーターの常用雇用化などに取り組むことが重要である。
<社会保障の所得再分配効果>
○ 我が国の社会保障においては、低所得者や高齢者への所得再分配が行われている。
○ 我が国の所得再分配による等価当初所得(注2)から等価再分配所得(注3)へのジニ係数の改善度を見てみると、税を通じた所得再分配効果は減少するとともに、社会保障制度を通じた効果は増加している。
http://www-bm.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/08-1/dl/01.pdf
Name avantistaff : 11:09
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