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「ILO報告書」 金融危機で失業者は格差は・・ 2008年11月25日

■金融危機で失業者2千万人増加の見通し―ILO速報値

 金融危機の影響で、07年時点で1億9000万人だった世界全体の失業者総数が2000万人増加し、2009年後半には2億1000万人に膨らむ――。国際労働機関(ILO)は10月20日、こうした試算を明らかにした。最も打撃が大きい産業は、建設業、自動車産業、観光業、金融業、サービス業、不動産業。また、所得が1日当たり1ドル未満の最貧層は約4,000万人、2ドル未満の貧困層は1億人以上増えると試算している。ソマビア事務局長は10月10日、金融危機に取り組む緊急対策を呼びかける声明を公表し、各国政府が協調して迅速な措置を講じ、深刻かつ長期化する可能性のある社会的危機を回避する必要があると訴えている。

金融危機への対策に4つの柱
 声明は冒頭で、「食糧・燃料費の高騰に加え、今回の金融危機が世界中の企業、労働者、家族に及ぼす影響は深刻だ」として、「各国政府が協調して迅速な行動を採らなければ、深刻かつ長期的な景気低迷を招くおそれがある」との懸念を示したうえで、グローバルレベルでの取り組みに向けた4つの柱を掲げた。

 一つは、深刻な打撃が及ぶ前に、資金の流れを迅速に回復することで、声明はこれを最優先事項に掲げている。二つ目は、(1)銀行や金融機関に対する緊急救済措置(2)危機の勃発には何ら責任がないにもかかわらず雇用や所得の喪失に苦しむ労働者や家族を支援する社会保護制度の維持・向上(3)とくに中小企業が融資にアクセスし、レイオフや賃金カットを回避し、回復に向けた準備ができる体制の確保(4)最も脆弱な人々や企業を保護するための最後発国へのODA――を通じて最低限の基盤を構築すること。

 三つ目は、国際金融市場の慢性的な変動性・不安定性を軽減するための規制体制の再構築に着手すること。市場経済の新たな体制の基礎として、勤勉により公正な報酬が得られるという伝統的な倫理を掲げ、「金融制度は、社会の公正、持続可能な企業の重要性、ディーセントかつ生産的な仕事、平穏無事な地域を支えるべきもので、決して阻害するものであってはならない」と主張。具体的には、「生産的な投資を促進し、投機的行動を抑制し、透明性を確保し、信頼性を再構築する金融政策が必要だ」とし、全諸国の金融機関の慣行・制度の質を監視する国際通貨基金(IMF)の役割を強調した。

 四つは、復興から持続的発展への移行だ。実現には、あらゆる人々に機会を提供する公正なグローバル化を支える新たなガバナンスフレームワークの必要性を掲げた。声明は、「我々は今回の危機勃発以前にも危機に瀕していた――すなわち継続的で世界規模での貧困や社会的格差が拡大している」とし、持続可能な発展に向けたバランスのとれた統合的アプローチを促進する新たな国際的制度体系の構築を求めている。そのうえで、関連の国際機関がディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会を創出する統合的な政策を開発することを、持続可能な復興と公正なグローバル化の基盤の一つに位置づけた。最後に、4つの柱を実現するうえで、政労使のニーズや経験を反映することの重要性を掲げ、声明を締めくくっている。

実体経済への救済措置を求める
 今回のILOの失業予測が現実化すると、雇用面への影響はアジア通貨危機の2倍弱に及ぶことになる。ソマビア事務局長は、「適切な対処策が講じられない場合、この試算さえ過小評価となる可能性がある」とし、実体経済と勤労者世帯を救済するため、ディーセントワークを保障する政策と統治に裏付けられた経済計画の必要性を訴えるとともに、実体経済を推進するという金融の基本的機能への回帰を呼び掛けた。事務局長はまた、11月にも米国で開催される金融危機サミットで、持続可能な企業やディーセントワークの保護・推進を中心的テーマに据えることを提言した。

■金融危機で格差の一層の拡大を懸念―ILO報告書

 国際労働機関(ILO)の研究部門である国際労働問題研究所(International Institute for Labour Studies)は10月16日、『仕事の世界報告書2008年版:金融グローバル化時代の所得格差』を公表した。90年代初頭以降の雇用は増加したが、大半の地域で富裕世帯と貧困世帯との所得格差は著しく拡大した。レイモンド・トレス研究所所長は、格差拡大の背景要因として、金融グローバル化の流れと、中・低所得層の所得を拡大する各国政策機能の低下を挙げ、「長期的な構造改革を実施しなければ、現在の世界金融危機により事態が一層深刻化するおそれがある」などとコメント。そのうえで、ディーセントワークを経済・労働・社会の各政策とリンクさせ、雇用や所得の拡大や分配の促進を促すことを含めグローバル経済をよりバランスのとれた軌道に乗せる長期的な取り組みを求めた。

大半の地域で所得格差が拡大
 過去20年間に、データのある73カ国中51カ国で、全国民所得に占める賃金シェアが低下した。対GDP比の賃金シェアでみると、最も低下幅が大きかったのがラテンアメリカ・カリブ地域(マイナス13ポイント)、アジア・太平洋地域(同10ポイント)、先進経済諸国(同9ポイント)だった。また、金融部門の規制緩和が進んだ国では、労働者や家族の住宅投資や消費目的の借金が増大し、これが賃金低迷の最中に国内需要を支える鍵として機能してきたが、金融危機でこうした成長モデルの限界が露呈した結果も明らかになった。

 さらに、1990〜2005年にかけ、データが入手可能な国の3分の2に及ぶ国々で所得不平等が拡大し、中流・貧困世帯に比して富裕世帯の所得が伸びた。同期間の賃金稼得者の上位10%と下位10%の所得格差は、調査対象国全体の7割で拡大した。上級役員層と平均的従業員の所得格差についても、急速な拡大がみられた。例えば、アメリカの上位大企業15社の最高経営責任者(CEO)の収入は、当該社の平均的従業員所得の360倍(2003年)から520倍(2007年)に跳ね上がった。2003年〜2007年の実質賃金上昇率をみると、上級経営幹部層では45%と飛躍的な上昇がみられた一方で、平均的な幹部層で約15%、平均的労働者の場合3%に満たなかった。同様の傾向は、オーストラリア、ドイツ、香港、オランダ、南アフリカでもみられた。

社会労働政策・税制機能の弱体化なども要因
 報告書は、所得格差の大きな要因の一つが金融のグローバル化であると指摘したうえで、「金融のグローバル化によって経済不安定性が高まると、低所得層のコストとして降りかかってくる。システマティックな金融危機による雇用減少が、脆弱グループに深刻かつ長期的な影響を及ぼすことが過去の経験から明らかになっている。失業が上昇し、投資は落ち込み、その結果、所得格差の一層の拡大をもたらす」などと解説。また、「無責任なアクターのリスクテーキングな行動がもたらした金融・経済危機による損失コストを、近年の経済成長の恩恵を受けていない社会や納税者が負担するのはモラルハザードの問題だ」と批判した。拡大を続ける所得格差については、「ある程度の所得格差は努力・才能や革新を促すうえで重要だが、あまりに格差が大きいと逆効果で経済に悪影響を及ぼす。所得格差の拡大は社会構造や経済効率性のリスクを反映するものだ」と指摘した。

 また、経営幹部層の急激な賃金上昇率については、いわゆる経営幹部や管理職への「成果主義賃金制度」の活用が所得格差の過度な拡大をもたらした要因のひとつだと指摘。このほか、国内の労働社会政策や税制機能の弱体化、労働組合組織率の低迷による労働者側の交渉力の低下、非典型的雇用形態の増大――なども要因として挙げている。とりわけ、1993〜2007年までの間に、データのある大半の国で税制の累進性が緩和され、再分配機能が低下し、平均法人税率は10ポイント低下したことが明らかになった。

 報告書は、「多くの諸国ではすでに、グローバル化が大半の人々に有利に作用するものではないという認識が広がりつつある。今後の政策的課題は、適切な就労・学習・投資インセンティブを確保し、社会に弊害をもたらし、かつ効率の低い所得格差を回避することだ」と指摘したうえで、ディーセントワークを経済・労働・社会政策とリンクさせ、雇用や所得の拡大や分配の促進を促すことを含め、グローバル経済をよりバランスのとれた軌道に乗せる長期的な取り組みが必要だと訴えた。

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資料出所: ILO press releases.
Sustainable Recovery and Shaping a Fair Globalization, Statement by Mr. Juan Somavia, Director-General, ILO, IMF Committee and Development Committee, Washington, 10-11 October 2008.

<引用は下記の労働政策研究・研修機構より>
http://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2008_11/ilo_02.htm

Name avantistaff : 09:00


失業者数は増加・有効求人倍率は減少(2008年9月) 2008年11月17日

■労働力調査平成20年9月分(基本集計)がでました。完全失業者は6カ月連続の増加です。

【就業者】
 ・就業者数は6393万人。前年同月に比べ29万人の減少。8か月連続の減少
 ・雇用者数は5529万人。前年同月に比べ22万人の増加。2か月連続の増加
 ・主な産業別就業者を前年同月と比べると製造業建設業などが減少・サービス業「医療,福祉」が増加
【就業率】
 ・就業率は57.8%。前年同月に比べ0.3ポイントの低下
 ・15〜64歳の就業率は70.9%。前年同月に比べ0.3ポイントの上昇
【完全失業者】
 ・完全失業者数は271万人。前年同月に比べ2万人の増加。6か月連続の増加
 ・求職理由別にみると,「勤め先都合」「自己都合」などが前年同月と同数
【完全失業率】
 ・完全失業率(季節調整値)は4.0%前月に比べ0.2ポイントの低下
 ・男性は4.1%。前月に比べ0.2ポイントの低下。女性は3.9%。前月と同率

就業者推移・失業率2008年9.JPG


■一般職業紹介状況(平成20年9月分)について

平成20年9月の一般職業紹介状況をみると、有効求人倍率(季節調整値)は0.84倍となり、前月を 0.02ポイント下回った。正社員有効求人倍率は0.54倍となり、前年同月を0.08ポイント下回った。

9月の有効求人(季節調整値)は前月に比べ2.5%減となり、有効求職者(同)は0.6%増となった。

9月の新規求人は前年同月と比較すると13.4%減となった。これを産業別にみると、前月に引き続き、サービス業(26.1%減)、製造業(22.0%減)、建設業(16.6%減)、情報通信業(16.2%減)、運輸業(11.4%減)、卸売・小売業(8.4%減)、教育,学習支援業(7.0%減)、飲食店,宿泊業(4.0%減)は減少となった。また、医療,福祉(10.5%増)は減少から増加となった。

都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)をみると、最も高いのが群馬県及び愛知県の1.54倍、最も低いのが沖縄県の0.35倍となった。

有効求人倍率9月.JPG


Name avantistaff : 10:39


製造業において派遣・契約社員等の再契約停止が増加 2008年11月10日

経済情勢の変動に伴う事業活動及び雇用面への影響について
−公共職業安定所によるヒアリング結果(平成20年10月実施)−

現下の雇用失業情勢は、有効求人倍率が低下するなど、下降局面にあるとともに、景気も弱まっており、金融危機の深刻化や株式・為替市場の大幅な変動などから、今後、雇用面に与える影響もさらに大きくなることが予想される。こうしたことから、平成20年7月のヒアリングに引き続き、平成20年10月の初旬から中旬にかけて全国の公共職業安定所において、製造業、運輸業及び卸売・小売業に属する管内の主要な中小企業(従業員数300人未満の事業所と定義)4,285社から、このところの経済情勢の変動に伴う事業活動や雇用面への影響について、緊急のヒアリングを実施した。結果は以下の通り。


■概要

(1) 3ヶ月前と比較して、現在、業況が「悪い」「多少悪い」とする事業所は58.9%(平成20年7月ヒアリングから約5ポイント減)、業種別では運輸業の66.5%(7月ヒアリング時83.3%)、輸出型製造業の60.4%(同50.5%)が「悪い」「多少悪い」としている。

(2) 現在、経済情勢の変動が「収益を大きく圧迫している」「収益をやや圧迫している」とする事業所は81.1%(7月ヒアリングから約2ポイント減)、業種別では運輸業の88.1%(7月ヒアリング時95.7%)、輸出型製造業の77.3%(同72.6%)が収益を圧迫している。

(3) 収益を圧迫しているとした企業のうち79.9%がその理由を「製品原価や輸送費用の上昇(コストアップ)」としている。「一般経済悪化に伴う取引の受注減」は45.4%と、7月のヒアリングから16.6ポイント増加した。

(4) 3ヶ月前と比較して資金繰りが「厳しくなった」とする事業所は34.8%であった。資金繰りが厳しくなった理由については、全体の83.2%が「売上げの減少」と回答した。

(5) 売上高などの事業活動を示す指標が、最近3か月間(前年同期比、月平均値)で「5%以上の減少」と回答した事業所は45.2%となった。

(6) 現在の雇用過不足感の状況(D.I)は、「正社員(▲9.2)」や「契約社員・パート等(▲6.1)」で不足感が縮小している一方で、「派遣社員(13.5)」(7月ヒアリングから9ポイント増)では過剰感のある事業所が上回り、特に輸出型製造業において大きな過剰感(26.0)(7月ヒアリングから約17ポイント増)がでている。

(7) 収益を圧迫していると回答した事業所のうち、69.5%が「経費削減(人件費以外)」、28.5%が「商品、サービスへの価格転嫁」を実施している。「賃金調整または雇用調整」を実施する事業所は18.8%となっている。

(8) 「雇用調整または賃金調整」を実施しているとした事業所のうち、「賃金調整(ボーナスの切り下げ等)」を実施した事業所が55.6%となっている。「希望退職者の募集(3.4%)」や「解雇(4.4%)」を実施した事業所は少ないが、「派遣等の再契約停止(23.4%)」を実施した事業所は増加している。

(9) 今後の賃金調整または雇用調整の見込みについては、「賃金調整を実施する予定」が7.7%(7月ヒアリングから3.9ポイント増)、「雇用調整を実施する予定」が4.6%(7月ヒアリングから2.5ポイント増)となっており、7月のヒアリング結果と比較するとその割合は増加している。

賃金調整.JPG


http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/10/dl/h1031-3a.pdf

Name avantistaff : 17:29


企業の定年「63歳以上」が増加/就労条件総合調査 2008年11月03日

厚生労働省が7日発表した「2008年就労条件総合調査」結果によると、一律定年制を定めている企業(本社の常用労働者30人以上)の定年年齢は「60歳」が86.0%で最も多いが前年の86.6%と比べ減少した。これに対して、「63歳以上」は12.7%(前年10.6%)、「65歳以上」は10.0%(同9.1%)と増加している。


(1) 定年制
定年制を定めている企業数割合は、94.4%となっており、そのうち「一律に定めている」企業数割合は98.4%、「職種別に定めている」1.1%となっている。

(2) 一律定年制における定年年齢の状況
一律定年制を定めている企業について定年年齢をみると、「60歳」とする企業数割合が85.2%と最も多くなっている。

なお、「63歳以上」とする企業数割合が13.5%、「65歳以上」は10.9%となっており、前年に引き続き上昇している。

企業規模別にみると、定年年齢を「60歳」とする企業数割合は企業規模が大きいほど高く、「65歳以上」の年齢とする企業数割合は、企業規模が小さいほど高い。

産業別にみると、「65歳以上」とする企業数割合は、サービス業が18.0%と最も高く、次いで飲食店,宿泊業(17.8%)、医療,福祉(17.1%)となっている。


定年は何歳か.JPG


(3) 定年後の措置
ア 勤務延長制度及び再雇用制度の実施状況
一律定年制を定めている企業について、勤務延長制度及び再雇用制度のどちらか又は両方の制度がある企業数割合は90.0%となっている。

これを制度別にみると、「勤務延長制度のみ」の企業数割合は11.0%、「再雇用制度のみ」は70.9%、「両制度併用」は8.1%となっている。

企業規模別にみると、どちらか又は両制度がある企業数割合は1,000人以上が98.3%、300〜999人が97.4%、100〜299人が96.2%、30〜99人が87.2%となっている。

定年後の措置.JPG

イ 勤務延長制度、再雇用制度の最高雇用年齢
一律定年制を定めている企業について、勤務延長制度又は再雇用制度がある企業のうち、最高雇用年齢を定めている企業数割合は、勤務延長制度がある企業が50.8%、再雇用制度がある企業が75.3%となっている。

最高雇用年齢を定めている企業における最高雇用年齢をみると、「65歳以上」とする企業数割合は、勤務延長制度がある企業が84.4%、再雇用制度がある企業が88.1%となっている。(


ウ 勤務延長制度、再雇用制度の適用対象者の範囲
一律定年制を定めている企業について、勤務延長制度又は再雇用制度がある企業のうち、勤務延長制度、再雇用制度の適用となる対象者の範囲をみると、勤務延長制度のある企業は「原則として希望者全員」とする企業数割合が最も多く、58.7%となっている。

また、再雇用制度のある企業は「基準に適合する者全員」とする企業数割合が最も多く、51.2%となっている。

(4) 定年制を定めている企業における65歳以上の人が働くことができる仕組み〔新規調査項目〕
定年制を定めている企業について、社内規程や嘱託規程等により、65歳以上で働くことを希望する人や企業の必要とする人が働くことができる仕組みがある企業数割合は、46.6%となっており、仕組みがある企業について、実際に65歳以上の人が働いている企業数割合は73.2%となっている。

これを産業別にみると、鉱業が81.6%と最も高く、次いでサービス業(78.7%)、金融・保険業(78.1%)となっている。

また、実際に65歳以上の人が働いている企業のうち上限年齢を定めていない企業数割合は85.2%となっており、上限年齢を定めている企業を大きく上回っている。

<詳細は下記にて>
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/08/index.html

Name avantistaff : 12:04


 
 
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