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雇用保険法等の一部を改正する法律案の概要 2009年1月26日

厳しい雇用情勢と雇用のセーフティネットに対応するために、1月20日「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。その概要をお知らせします。


現下の厳しい雇用失業情勢を踏まえ、非正規労働者に対するセーフティネット機能及び離職者に対する再就職支援機能の強化を重点に、所要の法改正を行う(◎は3年間の暫定措置)


1:非正規労働者に対するセーフネットの機能の強化

労働契約が更新されなかったため離職した有期契約労働者について、
○ 受給資格要件を緩和: 被保険者期間12か月→6か月(解雇等の離職者と同様の扱い)
◎ 給付日数を解雇等による離職者並に充実
(○ 雇用保険の適用基準である「1年以上雇用見込み」を「6か月以上雇用見込み」に緩和し、適用範囲を拡大)

2:再就職が困難な場合の支援の強化

◎ 解雇や労働契約が更新されなかったことによる離職者について、年齢や地域を踏まえ、特に再就職が困難な場合に、給付日数を60日分延長(例えば所定給付日数が90日の場合→150日)


3.安定した再就職へのインセンティブ強化

◎ 早期に再就職した場合に支給される「再就職手当」の支給要件緩和・給付率の引上げ(給付率について、30%→40%又は50%)
◎ 就職困難者(障害者等)が安定した職業に就いた場合に支給される「常用就職支度手当」について対象範囲を拡大(年長フリーター層を追加)・給付率の引上げ(30%→40%)

4:育児休業休暇の見直し

○ 平成22年3月末まで給付率を引き上げている暫定措置(40%→50%)を当分の間延長
○ 休業中と復帰後に分けて支給している給付を統合し、全額を休業期間中に支給

5:雇用保険料率の引き下げ

○ 失業等給付に係る雇用保険料率(労使折半)を平成21年度に限り、0.4%引下げ(1.2%→0.8%)

施行期日:平成21年4月1日(育児休業給付の見直しについては平成22年4月1日)
*船員保険法についても、雇用保険法に準じた改正を行う。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/01/dl/h0120-1a.pdf

雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱

第一雇用保険法の一部改正

一基本手当の受給資格の改正

特定理由離職者(離職した者のうち、当該離職について特定受給資格者となる者以外の者であって、
期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)その他のやむを得ない理由により離職したものとして厚生労働省令で定める者をいう。以下同じ。)について
は、離職の日以前一年間に被保険者期間が通算して六箇月以上で基本手当の受給資格を得られるものとすること。(雇用保険法第十三条関係)

二基本手当の支給に関する暫定措置

受給資格に係る離職の日が平成二十一年四月一日から平成二十四年三月三十一日までの間である特定理由離職者(厚生労働省令で定める者に限る。)については、当該受給資格者(身体障害者等の就職困難者を除く。)を特定受給資格者とみなして基本手当を支給するものとすること。(雇用保険法附則第


四条関係)

三給付日数の延長に関する暫定措置
受給資格に係る離職の日又は所定給付日数に相当する日数分の基本手当の支給を受け終わる日が平
(一)
成二十一年四月一日から平成二十四年三月三十一日までの間である受給資格者(身体障害者等の就職困難者以外の受給資格者のうち特定理由離職者(厚生労働省令で定める者に限る。)である者及び特定受給資格者に限る。)であって、次のイ又はロに該当するものについては、受給期間内の失業して
いる日について、所定給付日数を超えて基本手当を支給することができるものとすること。(雇用保
険法附則第五条第一項関係)

イ:受給資格に係る離職の日において四十五歳未満である者又は厚生労働省令で定める基準に照らし
て雇用機会が不足していると認められる地域として厚生労働大臣が指定する地域内に居住する者で
あって、公共職業安定所長が厚生労働省令で定める基準に照らして就職が困難であると認めたもの

ロ:公共職業安定所長が厚生労働省令で定める基準に照らして当該受給資格者の知識、技能、職業経
験その他の実情を勘案して再就職のための支援を計画的に行う必要があると認めた者
の場合において、所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、六十日(所定給付日数につ
(二)-(一)
いて、受給資格に係る離職の日において三十五歳以上六十歳未満である特定受給資格者の区分に該当し、かつ、算定基礎期間が二十年以上である区分に該当する者(二により、特定受給資格者とみなさ
れる者を含む。)にあっては、三十日)を限度とするものとすること。(雇用保険法附則第五条第二項関係)

四就業促進手当に関する暫定措置

再就職手当に関する暫定措置

(一)
イ平成二十一年四月一日から平成二十四年三月三十一日までの間に安定した職業に就いた場合の再
就職手当については、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数が所定給付日数の
三分の一以上であるものに対して支給するものとすること。(雇用保険法附則第九条関係)
ロイの再就職手当の額については、基本手当日額に、支給残日数に相当する数に十分の四(支給残
日数が所定給付日数の三分の二以上であるものにあっては、十分の五)を乗じて得た数を乗じて得
た額を支給するものとすること。(雇用保険法附則第九条関係)

常用就職支度手当に関する暫定措置
(二)
平成二十一年四月一日から平成二十四年三月三十一日までの間に安定した職業に就いた場合の常用
就職支度手当の額については、基本手当日額に四十を乗じて得た額を限度として厚生労働省令で定め
る額とするものとすること。(雇用保険法附則第九条関係)

五育児休業給付の改正

育児休業基本給付金及び育児休業者職場復帰給付金の統合
(一)
育児休業者職場復帰給付金を廃止し、育児休業基本給付金に統合し、これを育児休業給付金とする
ものとし、育児休業給付金の額を、被保険者が休業を開始した日に受給資格者となったものとみなし
たときに算定されることとなる賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の四十に相当する額とする
ものとすること。(雇用保険法第六十一条の四関係及び同法第六十一条の五の削除)

育児休業給付金に関する暫定措置
(二)
の育児休業給付金の額については、当分の間、被保険者が休業を開始した日に受給資格者となっ
(一)
たものとみなしたときに算定されることとなる賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の五十に相
当する額とするものとすること。(雇用保険法附則第十二条関係)

六その他

その他所要の規定の整備を行うこと。
第二労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正

一雇用保険率に関する暫定措置

平成二十一年度における雇用保険率を千分の十一・五(うち失業等給付に係る率千分の八)(農林水
産業及び清酒製造業については千分の十三・五(同千分の十)、建設業については千分の十四・五(同
千分の十))とするものとすること。(労働保険の保険料の徴収等に関する法律附則第十一条関係)
二その他

その他所要の規定の整備を行うこと。

第三船員保険法の一部改正
一失業保険金、保険料率等の改正
失業保険金、再就職手当等に関する事項について、雇用保険法と同様の改正を行うとともに、平成二
十一年四月から同年十二月までの間、失業部門の被保険者分の保険料率を千分の四とすること。(船員
保険法第三十三条ノ三並びに附則第二十六項及び第三十一項から第三十七項まで関係)

二その他
その他所要の規定の整備を行うこと。

第四その他
一施行期日
この法律は、平成二十一年四月一日から施行するものとすること。ただし、第一の五については平成
二十二年四月一日から施行するものとすること。(附則第一条関係)

二経過措置及び関係法律の整備
この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、関係法律について所要の規定の整備を行う
こと。(附則第二条から第二十条まで関係)__

Name avantistaff : 09:15


有効求人倍率は減少を続ける(H20年11月) 2009年1月19日

■有効求人倍率(2008年11月)

平成20年11月の一般職業紹介状況をみると、有効求人倍率(季節調整値)は0.76倍となり、前月を0.04ポイント下回った。正社員有効求人倍率は0.50倍となり、前年同月を0.13ポイント下回った。
11月の有効求人(季節調整値)は前月に比べ2.3%減で有効求職者(同)は3.3%増。
11月の新規求人は前年同月と比較すると23.7%減となった。これを産業別にみると、前月に引き続き、製造業(42.9%減)、サービス業(31.9%減)、情報通信業(25.8%減)、運輸業(24.7%減)、建設業(23.0%減)、卸売・小売業(18.9%減)、教育,学習支援業(17.9%減)、飲食店,宿泊業(17.0%減)は減少。また、医療,福祉(3.4%減)は増加から減少。
都道府県別の有効求人倍率(季節調整値)をみると、最も高いのが群馬県の1.36倍、最も低いのが沖縄県の0.32倍。

2008年11月有効求人倍率.JPG

■労働力調査(2008年11月)

【就業者】
 ・就業者数は6391万人。前年同月に比べ42万人の減少。10か月連続の減少
 ・雇用者数は5551万人。前年同月に比べ10万人の減少。4か月ぶりの減少
 ・主な産業別就業者を前年同月と比べると、運輸業・製造業などが減少、「医療,福祉」などが増加
【就業率】
 ・就業率は57.8%。前年同月に比べ0.4ポイントの低下
 ・15〜64歳の就業率は71.1%。前年同月に比べ0.1ポイントの上昇
【完全失業者】
 ・完全失業者数は256万人。前年同月に比べ10万人の増加。2か月ぶりの増加
 ・求職理由別にみると,前年同月に比べ「勤め先都合」が6万人増加,「自己都合」が同数
【完全失業率】
 ・完全失業率(季節調整値)は3.9%。前月に比べ0.2ポイントの上昇

【非労働力人口】
 ・非労働力人口は4403万人。前年同月に比べ38万人の増加
? 就業状態別人口
 ・前年同月に比べ,労働力人口は33万人(0.5%)減少,非労働力人口は38万人(0.9%)増加

? 就業者の動向
 1 従業上の地位
 ・就業者数は6391万人。前年同月に比べ42万人 (0.7%)減少。10か月連続の減少。
  男性は26万人の減少,女性は17万人の減少
 ・雇用者数は5551万人。前年同月に比べ10万人 (0.2%)減少。4か月ぶりの減少
 ・自営業主・家族従業者数は809万人。前年同月に比べ32万人の減少
 
・非農林業雇用者数及び対前年同月増減
  非農林業雇用者5509万人と,9万人(0.2%)減少。3か月ぶりの減少
      常 雇4740万人と,5万人(0.1%)減少。3か月ぶりの減少
      臨時雇 657万人と,6万人(0.9%)減少。2か月連続の減少
      日 雇 111万人と,前年同月と同数
 2 従業者規模
 ・企業の従業者規模別非農林業雇用者数及び対前年同月増減
   1〜29人規模1648万人と, 11万人(0.7%)減少。18か月連続の減少
  30〜499人規模1897万人と, 15万人(0.8%)減少。2か月ぶりの減少
  500人以上規模1409万人と, 18万人(1.3%)増加。17か月連続の増加

 3 産 業

産業別就業者の増減.JPG

 4 就業時間
 11月末1週間の就業時間階級別の従業者(就業者から休業者を除いた者)数及び対前年同月増減
 ・1〜35時間未満2068万人と,466万人(29.1%)増加
   うち1〜30時間未満1329万人と,151万人(12.8%)増加
 ・35時間以上4189万人と,498万人(10.6%)減少
   うち49時間以上1345万人と,318万人(19.1%)減少
注)対前年同月増減については,平成19年11月末1週間に比べ平日が1日少なかった影響があるため注意を要する。

 5 就業率
  ・就業率(15歳以上人口に占める就業者の割合)は57.8%。前年同月に比べ0.4ポイントの低下
  ・15〜64歳の就業率は71.1%。前年同月に比べ0.1ポイントの上昇。
   男性は81.7%。前年同月と同率。
   女性は60.4%。0.2ポイントの上昇

? 完全失業者の動向
 1 完全失業者数及び対前年同月増減
 ・完全失業者数は256万人。前年同月に比べ10万人(4.1%)増加。2か月ぶりの増加
 ・男性は前年同月に比べ7万人の増加,女性は3万人の増加

【原数値】
  ・完全失業率は3.9%と,前年同月に比べ0.2ポイントの上昇
  ・男性は4.0%と,前年同月に比べ0.2ポイントの上昇。女性は3.6%と,0.1ポイントの上昇

 4 年齢階級別
 ・男性は「15〜24歳」及び「25〜34歳」を除くすべての年齢階級で,完全失業者数及び完全失業率共に前年同月に比べ増加(上昇) 
 ・女性は「15〜24歳」,「35〜44歳」及び「45〜54歳」の各年齢階級で,完全失業者数及び完全失業率共に前年同月に比べ増加(上昇) 

5 世帯主との続き柄別
・完全失業者のうち,「世帯主」は64万人と、前年同月に比べ10万人の増加。8か月連続の増加

Name avantistaff : 09:00


雇用保険制度の見直しについて報告/労政審部会 2009年1月13日

労働政策審議会の雇用保険部会は12月25日の会合ではセーフティネット機能としての雇用保険の強化を図るための話し合いがなされましたのでご紹介します。

・保険の加入条件のうち「1年以上の雇用見込み」を「6カ月以上」に改定。
・再就職が困難な場合の失業給付日数の延長、
・再就職手当の受給要件の緩和、
・育児休業給付の拡充
・雇用保険料率の引下げなどを盛り込んでいる。
※雇用保険料率については、労働者代表委員から「引き下げるべきではない」との意見もありました

<雇用保険部会報告>
第1 現状及び課題

○ 現下の雇用失業情勢をみると、有効求人倍率は11ヶ月連続して1倍を下回り、企業の
倒産件数も増加傾向にあるなど、雇用失業情勢は下降局面にあり、さらなる悪化も想定さ
れるところである。このことは、労働市場において、派遣労働者、パートタイム労働者、
契約社員等の非正規労働者が増大する中で、特に、これら非正規労働者の雇用調整の動き
の急速な拡大として顕在化し、非正規労働者に大きく影響を与えつつある。
○ また、雇用失業情勢については、特に厳しい地域があるほか、若年者についても、年長
フリーター等が依然として多い等厳しい状況が続いている。
○ 一方で、雇用保険制度については、昨年までの雇用失業情勢の改善傾向及びこれまでの
制度改正等を受け、平成19年度決算における収支状況は改善しているが、雇用失業情勢
の更なる悪化が見込まれる中で、今後支出が大幅に増加することも予想されるところであ
る。
○ このような状況の中で、平成20年10月30日には、政府全体として生活支援策の強
化のための経済対策(以下「生活対策」という。)が決定され、雇用保険についても、セー
フティネット機能の強化等とあわせ、家計緊急支援対策の一環として、国民(家計と企業)
の負担軽減の観点から、平成21年度限りの雇用保険料率の引下げについて、関係審議会
において労使と十分協議した上で検討、結論を得ることとされている。
○ 加えて、派遣労働者や契約社員の雇止め、新卒者の内定取消等現実に深刻な問題が生じ
ていることに鑑み、政府は一体となって必要な施策を実施することを決めている。
○ このような状況を踏まえると、雇用保険制度としても、財政の健全性を維持しつつ、非
正規労働者の増大にも対応しうる雇用のセーフティネットとして有効に機能するようにす
るとともに、雇用失業情勢の悪化等の影響を深刻に受ける者等への支援を重点的に強化し、
安定した雇用に向けて、早期再就職をより一層促進することが緊急の課題となっている。
○ このため、当面の緊急対策としての暫定的な措置も含め、次のとおり、雇用保険制度の
機能強化を中心とした見直しを行っていくことが適当である。

第2 雇用保険制度の見直しの方向

1 セーフティネット機能の強化について

(1)非正規労働者に対するセーフティネット機能の強化
○ 非正規労働者が増加する中で、昨今、雇用失業情勢の悪化の影響が、いわゆる倒産、解
雇等による離職に限らず、雇止め(労働契約を更新しない)という形で出てきている。こ
のような状況を踏まえると、こうした非正規労動者についても必要な給付がなされること
が必要である。
○ いわゆる倒産、解雇等による離職者(特定受給資格者)については、被保険者期間が6
月あれば受給資格が得られ、また、所定給付日数についても手厚い取扱いとされている。
これを踏まえ、被保険者期間が短い(1年未満)者であって、希望したにもかかわらず、
労働契約が更新されなかったため離職した有期雇用者等についても、特定受給資格者と同
様に、被保険者期間6月で受給資格が得られるようにすべきである。
○ これらの者の所定給付日数については一般の受給資格者と同じとすべきであるが、現下
の雇用失業情勢の悪化に鑑みると、特に非正規労働者に対して十分なセーフティネットが
必要であることから、暫定的に、特定受給資格者と同じ取扱いとすべきである。また、こ
れにあわせて、被保険者期間1年以上であって、3年未満で希望したにもかかわらず、労
働契約が更新されなかったため離職した有期雇用者の所定給付日数についても同様に、暫
定的に、特定受給資格者と同じ取扱いとすべきである。なお、これら暫定的に措置を講じ
る期間としては、3年とすべきである(以下(2)、(3)においても同じ。)。
○ さらに、労働契約が更新されることが明示されていたにもかかわらず、これが更新され
なかったため離職した有期雇用者については、被保険者期間の長短にかかわらず、特定受
給資格者とすべきである。
○ 加えて、現在、雇用保険の適用については、運用上「週所定労働時間20時間以上、1
年以上の雇用見込み」という適用基準が設けられているが、特に、労働契約の期間が1年
未満の有期雇用者の中には、「1年以上の雇用見込み」の要件のために適用が受けられない
者が存在する。
○ こうした者に対してもセーフティネットが必要であり、雇用保険制度において適切にカ
バーできるよう、給付と負担のバランスや、モラルハザードが起きないようにすることも
考慮しつつ、現行運用上の適用基準の「1年以上の雇用見込み」の要件については、「6ヶ
月以上の雇用見込み」に改めるべきである。なお、その際、中小企業をはじめ、手続面等
の負担増になることにも留意し、適切な周知を図っていくことが必要である。

(2)再就職困難者に対する支援の強化

○ 雇用失業情勢が悪化する中で、基本手当の支給が終了しても再就職が困難な場合が想定
される。特に、雇用失業情勢の影響を考慮すると、倒産、解雇等によって離職した者(特
定受給資格者)や上記(1)において特定受給資格者と同じ取扱いとすべきとした者に
ついては、重点的に再就職の援助を行う必要があると考えられる。
○ このため、これらの者について、暫定的に、個別に延長して給付が受けられるようにす
べきである。
○ 具体的には、所定給付日数が短い年齢層や雇用失業情勢の悪い地域等の求職者とし、公
共職業安定所長が必要と認めた者とすることが適当である。また、延長日数については、
この趣旨が安心して就職活動を行うことができるようにすることであることに鑑み、また、
基本手当支給終了後の就職者の就職時期や状況も勘案すれば、60日とすることが適当で
ある。
○ なお、この場合についても、職業紹介等を拒否する場合にあっては延長給付の対象とせ
ず、また、延長中である場合は、以後の支給はしないこととすべきである。

(3)安定した再就職に向けたインセンティブの強化

○ 雇用失業情勢が悪化し、今後の離職者の増加が予想される中では、必要な雇用機会を創
出するとともに、安定した再就職に向けてのインセンティブを強化することが必要である。
このためには、雇用保険二事業による対策や産業政策等により雇用創出を行うべきである
が、これとあわせ、再就職に向けてのインセンティブ強化のため、再就職手当についても、
暫定的に「所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上の残日数」があることとの受給要
件を緩和し、「所定給付日数の3分の1以上」残日数があれば受給要件を満たすこととすべ
きである。あわせて、給付率についても残日数に応じて、暫定的に残日数が3分の2以上
の場合には50%、3分の1以上の場合には40%に引き上げるべきである。
○ また、就職困難者について再就職の際の初期費用を支援する「常用就職支度手当」につ
いても、暫定的に「40歳未満の者」についても支給対象とし、給付率を40%に引き上
げることにより、さらに安定した再就職に向けたインセンティブが高められるようにすべ
きである。
○ 加えて、安定した再就職に向けては、必要な職業能力を身につけることが重要であるこ
とから、安心して必要な職業訓練を受講することができるよう、長期間の訓練を含め訓練
メニューを充実し、受講を訓練延長給付によって支援するとともに、さらに職業訓練に必
要な諸般の負担を軽減することができるよう、職業訓練を受講する者に対し、暫定的に受
講手当の額を引き上げる(具体的には日額500円を700円に)こととすべきである。

2 育児休業給付の見直し

○ 育児休業給付(育児休業基本給付金、育児休業者職場復帰給付金)については、平成1
9年改正において、平成22年3月31日までに育児休業を開始する者までの措置として、
暫定的に育児休業者職場復帰給付金の給付率を引上げている。これについては、少子化対
策としての要請等も踏まえると、暫定措置を当分の間延長し、雇用保険制度として対応を
図ることはやむを得ないものと考える。
○ また、育児休業基本給付金及び育児休業者職場復帰給付金を統合して、育児休業中に支
給することについては、育児休業中の所得保障の観点からは望ましいとする意見もある一
方で、職場復帰率が8割半ばで推移しており、雇用の継続を図り、職場復帰を支援するこ
とを目的とし、雇用保険制度で措置している育児休業給付の趣旨からは、両給付を統合す
ることには慎重であるべきとの意見や統合するのであれば休業後に復帰しない場合は職場
復帰給付金分を返還することも盛り込んだ制度とすべきとの意見がある。
○ しかしながら、雇用の継続を図ろうとする育児休業取得者に対する支援としては、育児
休業給付以外にはないのが現実であり、育児休業取得促進に果たす育児休業給付の役割に
も強い期待があることを踏まえれば、これを統合し、休業中に支給することもやむを得な
いものと考える。なお、統合に当たっては、モラルハザードが起きないよう、制度の周知
に努めることに加え、制度の運用状況も見定めるべきである。
○ なお、育児休業制度については、労働政策審議会雇用均等分科会において見直しの議論
が行われ、?父母ともに育児休業を取得する場合に休業取得可能期間を子が1歳2ヶ月に
達するまでに延長すること、?産後休業中に父親が育児休業を取得した場合に再度取得を
認めること、?保育所等に入所申請を行ったが当面入所できない場合等に再度取得を認め
ること、を内容とする育児休業の範囲拡大が、平成20年12月25日付けで建議された
ところである。
○ この建議を踏まえ、雇用保険制度においても、育児休業を取得しやすくし、その後の円
滑な職場復帰を援助、促進する観点から、新たに育児休業の対象となる上記の場合につい
て、育児休業給付の対象とすることとすべきである。

3 雇用保険料率について

(1)平成21年度の失業等給付に係る雇用保険料率について
○ 昨年までの雇用失業情勢の改善傾向等を受け、平成19年度の決算後においては、積
立金残高は約4兆8,800億円となったところである。しかしながら、現下の雇用失
業情勢は急速に悪化しつつあり、今後給付が大幅に増加することも予想される。

○ 一方で、「生活対策」においては、家計緊急支援対策の一環として、国民の負担軽減の
観点から、平成21年度の失業等給付に係る雇用保険料率について、弾力条項による引
下げ幅を超えて0.4%までの幅で引き下げることを早急に検討することとされたとこ
ろである。
○ 雇用保険財政の過去の経験や本来の保険制度の趣旨等からすれば、現在のように雇用
失業情勢が急速に悪化しつつある時期には保険事故である失業が増加することが容易に
予想される中で、雇用保険料率の引下げについては、本来これを行うべきではなく、慎
重に対処する必要があるが、一方で、国民の負担軽減についての政府全体としての強い
要請があること等を勘案すると、特例的に平成21年度に限って、失業等給付に係る雇
用保険料について、弾力条項による引下げ幅を超えて0.4%引き下げることとするこ
とも、やむを得ないものと考える。
なお、労働者代表委員より、雇用保険料率について、これを引き下げる場合や引き上
げる場合には本来は合理的な理由が必要であり、現在の状況においては、引き下げるべ
きでないとの意見があった。

(2)平成21年度の雇用保険二事業に係る雇用保険料率について

○ 積立金と同様の状況のもと、平成19年度の決算後においては、雇用安定資金残高は
約1兆700億円となったところである。その一方で、急速に悪化しつつある雇用失業
情勢の下で、雇用保険二事業による雇用対策を重点的に実施していくことが必要となっ
ている。
○ こうした状況も勘案し、平成21年度の雇用保険二事業に係る雇用保険料率について
は、現行の弾力条項に則った取扱いとすべきである。

4 今後の課題

○ 平成22年度以降の雇用保険料率のあり方や、平成19年1月9日の雇用保険部会報
告において「今後の課題」とされた65歳以降への対処等については、今後の雇用失業
情勢や雇用保険の財政状況を見極めつつ、引き続き検討すべきである。

Name avantistaff : 09:07


日本の労働生産性(2007年)は先進7カ国で最下位 2009年1月 5日

新年あけましておめでとうございます。
昨年より続く世界金融危機・雇用危機の中での新年ですが
こんな時こそ「ピンチをチャンスに」変えていかねばと思います。

さてさてOECDの調査をまとめたものが発表されましたのでご報告します。
日本の労働生産性の低さを指摘されて数年立ちますが2007年の結果では先進国で最下位でした。
「派遣村」へ集まる人々の数の多さを合わせ見ても、いろいろと考えさせられることが多い結果ですので是非ご参考にしてください。

-----------
<出典>
■2008年版「労働生産性の国際比較」■
社会経済生産性本部(理事長:谷口恒明)


OECDのデータによるOECD加盟国間の比較とともに、世界銀行などのデータによるOECD以外の国々の比較も行っている。特にOECD加盟国の比較では、例年より新しい2007年データによる最新の国際比較を行った(OECD産業別比較、同製造業比較、世界銀行による比較は2006年データ)。


1. 日本の労働生産性(2007年)は先進7カ国で最下位、OECD加盟30カ国中第20位。

2007年の日本の労働生産性(就業者1人当たり名目付加価値)は、66,820ドル(804万円/購買力平価換算)でOECD加盟30カ国中第20位、主要先進7カ国では最下位(図1)、2006年の64,070ドルより2,751ドル(4.2%)向上し、順位は2006年の21位から1つ上がった。第1位はルクセンブルク(117,913ドル/1,419万円)、第2位はノルウェー(104,501ドル/1,257万円)。米国の労働生産性を100とすると日本は71。対米国比率は2000年以降ほとんど変化が無い。


2. 日本の製造業の労働生産性(2006年)はOECD26カ国中第12位。

日本の製造業の労働生産性水準(2006年)は79,897ドル(929万円)で、OECD加盟国でデータが得られた26カ国中第12位(図2)。2005年の第8位から4つ順位を下げた。主要先進7カ国でみると米国、フランスに次ぐ第3位となっている。米国製造業の労働生産性を1とすると日本は0.82となる。


3. サービス業の労働生産性は、日本を含めG7各国も停滞続く。

日本のサービス業の実質労働生産性指数は、1991年から2006年間の16年間で年率平均0.3%の伸びにとどまった(日本の製造業は同期間に年率平均3.2%の伸び)。G7各国のサービス業も同期間に年率平均0.0〜マイナス0.4%と各国とも停滞傾向が続いている


4. 2001年以降の日本の実質労働生産性上昇率は1.80%(年率平均)で、主要先進7カ国中第2位。

2001年以降(2001〜2007年)の実質労働生産性上昇率は、日本は年率平均1.80%で、主要先進7カ国中第2位、OECD加盟30ヵ国中第13位(図7)。1990年代後半(1996〜2000年)が0.70%(主要先進7ヵ国中最下位)であり、大幅な改善をみせている。2001年以降の米国は1.67%とやや減速したが、代わって英国が2.02%で主要先進7カ国トップの上昇率となった。


5. BRICsの労働生産性はロシアの51位が最高。ブラジルが65位、中国は85位。

世界銀行のデータで見ると、BRICs各国では、ロシアの労働生産性が27,144ドルで51位が最高。ブラジルが18,970ドルで65位、中国は7,974ドルで85位(インドの労働生産性はデータ不備で計測できず)。従来データ不備で計測できなかったブルネイが初の1位になった(表1)。2000〜2006年の実質労働生産性伸び率では中国が8.71%で第3位に入り、ロシアは5.24%で第14位、ブラジル(2001〜2006年)は−0.02%と伸び悩んでいる(2006年/世界銀行データによる購買力平価換算)

Name avantistaff : 08:57


 
 
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