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労働白書(平成19年版) ライフワークバランスへの道 2007年9月 3日

第3章 変化する雇用システムと今後の課題

第1節 経済・経営環境と労働条件

■労働生産性の上昇によって賃金上昇と労働時間短縮が実現されてきた

2002年以降、長期の景気回復過程で労働生産性が高まっているものの、単位当たり実質賃金は上昇しておらず、実質賃金の増加の面でも、労働時間短縮の面でも、労働条件に改善がみられないことが懸念される。

■賃金の抑制に伴う国際競争力の高まりと輸出の拡大

我が国企業の価格競争力は、人件費コストの抑制により、国際的にみて相対的に高まっていると考えられるが、いたずらに人件費コストの抑制を図ることは好ましくなく、付加価値創造力を高めることによって、国際競争力を高めていくとともに、雇用者報酬の拡大によって、民間最終消費支出が着実に拡大していくことが期待される。

■大企業の成果配分は配当金、内部留保へ

、2001年以降、特に、大企業において、配当金が大きく増加している。また、内部留保、役員賞与の増加もみられる。輸出主導の需要拡大の下で、企業が生み出す付加価値も増大しているが、大企業においては、利益の拡大と企業の資産価値の維持・拡大が志向され、賃金の支払いに向かう部分はあまり大きくない。

■中小企業は引き続き厳しい事業環境
■資本装備率の停滞などにより中小企業と大企業の労働生産性ギャップは拡大
■事業所規模間の賃金格差が拡大

小規模事業所の賃金は、2006年においても、引き続き減少しており、賃金の規模間格差が拡大している。

第2節 雇用システムと勤労者生活

■賃金カーブの変化と労働関係個別化の動き

 高齢化に伴い、40歳台後半から50歳台の労働者の長期雇用が広がる中で、これらの層の平均的な賃金水準が高められる傾向がみられる。企業に勤続する労働者の蓄積された職業能力が引き続き高く評価されていることが分かる。
 また、労働者への成果配分については、総じてみると長期雇用が引き続き評価されているものの、業績・成果主義的な賃金の広がりなどによって、労働関係は個別化しており、労働者一人一人の業績や成果、また、職業能力などが厳しく評価される傾向が出てきている。

賃金カーブ.JPG

■全体的な賃金抑制の傾向と賃金構造における勤続評価の高まり

長期勤続者に手厚く配分する方向に進んでいる。労働組合への参加を通じて賃金交渉にかかわることができる労働者は、一般的に長期雇用の者が多いと考えられるが、そうした者の賃金上昇は有利な状況にあるものの、その他の労働者に、成果配分が広く均霑していく仕組みが次第に崩れてきていることが危惧される。

■正規雇用と非正規雇用の賃金格差

正規雇用と非正規雇用の賃金構造を比較すると、正規雇用の賃金は、50歳台の前半まで増加する賃金カーブを描いているが、非正規雇用では、年齢が上がっても、賃金上昇はほとんどみられない。

■非正規雇用割合の上昇と人件費の削減

正規雇用と非正規雇用の間には、賃金の格差があり、企業は労働力を確保するにあたって、正規雇用の採用を抑制し、非正規雇用者を増加させることによって、人件費の削減を行ってきた。近年、低下してきた労働分配率について、非正規雇用割合の上昇が与えた影響を推計してみると、非正規雇用割合の上昇は、雇用者報酬を切り下げる要因として強く作用しており、近年の労働分配率の低下をほとんど説明することのできる大きさであることが分かる

第3節 ワークライフバランスと雇用システムの展望

■長期雇用と成果主義の組合せが主流

業績・成果主義的な賃金制度については、今後もその導入が広がっていくと見込まれることから、我が国の雇用システムは、長期雇用と成果主義の組合せが主流となっていくものと考えられる。

■長期雇用のメリット・デメリット

長期雇用は、長期的かつ効率的な教育訓練を可能にするとともに、帰属意識・忠誠心を高めることで、職場や労働時間・職務範囲等に柔軟性を持たせた人材マネジメントを可能とすることから、企業は長期雇用にメリットを感じ、また、これからもそれを維持していこうとしていることがうかがえる。
一方、そのデメリットをみると、高齢化に伴う人件費負担の高まりや職務と能力の間の開きの拡大、景気変動に応じた柔軟な対応ができないこと等が高くなっている(第42図?)。こうしたデメリットへの対応として、非正規雇用の活用や業績・成果主義的な賃金制度の導入が広がってきたと考えられる。

■長期雇用や年功賃金に対する労働者の意識

長期雇用・年功賃金といった我が国の雇用システムの特徴について、近年では、若年層等の一部を除けば、労働者は総じて肯定的にとらえる傾向がみられる。また、労働者にみられる近年のこうした意識の傾向には、非自発的失業者の急激な増加等、1990年代後半以降の雇用情勢の厳しさも反映されていると考えられる。

■労働者は、生活とのバランスのとれた働き方を希望

Name avantistaff : 2007年9月 3日 09:07


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