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TDB景気動向調査(特別企画):2008年度の雇用動向に関する企業の意識調査
3割の企業に採用予定なし、雇用意欲に変調の兆し
〜『小売』では約4割の企業で非正社員から正社員への転換制度の導入が進む〜
2008年1月の有効求人倍率は0.98倍で、政府が景気の底と判断している2002年1月(0.51倍)の2倍近くとなっており、雇用環境の回復がさかんに報じられてきた。しかし、地域別では最高の愛知(1.86倍)から高知(0.50倍)や青森(0.47倍)、沖縄(0.40倍)まで雇用状況は大きく異なっているほか、業界間や社員・非正社員間などでも雇用動向に格差が見られる。
そこで帝国データバンクでは、2008年度の雇用に関する企業の意識について調査を実施した。
調査期間は2008年3月19日〜31日。
調査対象は全国2万872社で、有効回答企業数は1万189社(回答率48.8%)。
なお、雇用動向に関する調査は2005年2月、2006年2月、2007年2月に続き4回目。
調査結果2008年度の正社員「採用増加」は21.3%へ低下、「採用予定なし」も3割超
2008年度(2008年4月〜2009年3月入社)の正社員(新卒・中途入社)の採用状況について尋ねたところ、「増加する(見込み)」と回答した企業は1万189社中2,174社、構成比21.3%で全体の5社に1社となった。
過去3回の調査を通してみると、雇用環境の改善が続くなかで2005年度が同28.2%、2006年度が同27.0%、2007年度が同25.6%であった。また、「採用予定なし」も3割を超えており、企業の景況感が後退しているなか、採用意欲が低下する兆しも現れはじめた。
企業からは、「グローバル化の拡大を狙って次世代を担う社員を積極的に採用したい」(機械器具卸、広島県)といった声や「特定部門の強化と品質の向上(技術の継承)に伴い内製化をより強化し、他社との差別化を図るため」(出版・印刷、大阪府)との積極的な意見が聞かれた。他方、「中間年齢層(25〜35歳)が当時の経済状況等により採用されなかったため人材不足」(紙加工品製造、埼玉県)や「2〜5年以内に定年退職者が多く出るため」(機械器具卸、京都府)といった世代間のアンバランス解消による採用増も多く挙げられている。
これを規模別にみると、『大企業』は同25.2%(561社)で『中小企業』(同20.2%、1,613社)を5.0ポイント上回っており、大企業(2008年3月の景気DI:39.9)の方が、依然として低迷が目立っている中小企業(同:34.5)よりも採用意欲が高かった。
また地域別では、これまで景気回復を牽引してきた『東海』(同23.6%、249社)で採用増の割合が高かった一方、『四国』(同16.3%、52社)や『中国』(同17.5%、111社)では低く、地域間格差は7.3ポイントとなった。これは、過去3回の調査(2005年度:地域間格差7.0ポイント、2006年度:同10.3ポイント、2007年度:同10.9ポイント)と比較すると、昨年、一昨年より低下しているものの、好調な大都市圏と厳しい地方圏を反映するように正社員の採用についても地域間格差が表面化する結果となっている。
非正社員雇用、「増加(見込み)」は1割未満
2008年度の非正社員(派遣社員、パート・アルバイトなど)の採用状況について尋ねたところ、「増加する(見込み)」と回答した企業は1万189社中1,012社、構成比9.9%で全体の1割に満たず、正社員の増加割合より低かった。
企業からは、「派遣社員等で働いている人を正社員に登用していく予定」(機械器具卸、東京都)といった正社員化の進展を挙げている企業のほか、「賃金コスト上昇が急激で採用が困難(時給を上げるとコスト割れを招く)」(運輸・倉庫、群馬県)や「派遣法の改定により採用が困難」(金融、長野県)といった非正社員市場環境の変化による採用抑制の声も聞かれた。
正社員比率、「上昇する」企業は16.1%、『四国』は唯一、比率低下が見込まれるなど地域間格差が顕著に
2008年度の正社員比率について尋ねたところ、2007年度に対して「上昇する(見込み)」と回答した企業は1万189社中1,644社、構成比16.1%で、「低下する(見込み)」(同8.6%、875社)を7.5ポイント上回った。
「上昇する(見込み)」と回答した割合を規模別でみると、『大企業』(同19.0%、423社)が『中小企業』(同15.3%、1,221社)よりも高く、業界別では『農・林・水産』(22.6%、7社)や『サービス』(同20.9%、280社)、『運輸・倉庫』(同20.4%、74社)が高かった。
また、地域別では『南関東』(同18.1%、626社)や『東海』(同17.1%、180社)、『近畿』(同17.0%、286社)など大都市圏がそろって全体平均以上であったのに対して、『四国』(同10.0%、32社)や『北海道』(同11.9%、62社)、『中国』(11.9%、76社)など地方圏は総じて低水準であった。特に、『四国』は全国10地域で唯一、「低下する(見込み)」(同10.3%、33社)が「上昇する(見込み)」を上回っており、景気の回復遅れが顕著ななかで正社員比率の低下が見込まれる状況となっている。
正社員比率の上昇要因、「業容拡大への対応」が55.1%、正社員への転換が期待される「改正パートタイム労働法への対応」は13.5%
2008年度の正社員比率が「上昇する(見込み)」と回答した企業1,644社に対して、その大きな要因を尋ねたところ、「業容拡大への対応」が906社、構成比55.1%(複数回答、以下同)となり、次いで、団塊の世代が大量退職を迎えることによる「団塊退職による補充」が同25.1%(413社)となった。
2008年4月から施行される「改正パートタイム労働法への対応」は同13.5%(222社)となり、非正社員から正社員への転換が少なからず期待される結果となった。
正社員比率が上昇する背景としては、「パート・アルバイトの採用状況が厳しいため、正社員募集(特に新卒)に力を入れている」(飲食料品小売、大阪府)、「景気減速の局面に突入してきている時期に、新たな市場への新規参入製品の開発や景気回復局面へ備えての新技術研究のために技術者を拡充する」(機械器具製造卸、東京都)ために正社員を増やすという声が聞かれた。
非正社員から正社員への転換制度、「すでにある」「導入予定」は合計21.2%、『小売』は約4割の企業で制度導入
2008年4月から施行される「改正パートタイム労働法」では、非正社員から正社員への転換を推進するための措置を講じることが義務化される。そこで、正社員への転換制度の有無を尋ねた。
その結果、「すでに制度はある」と回答した企業は1万189社中1,038社、構成比10.2%となった。今後「制度を導入する予定がある」(同11.0%、1,125社)と合わせると21.2%(2,163社)の企業で、非正社員を正社員化する制度を保有することになる。また、「制度を導入する予定はない」は同25.7%(2,615社)となった。
転換制度の保有合計を規模別でみると、『大企業』(同31.1%、690社)が『中小企業』(同18.5%、1,473社)を大きく上回る。一方、制度の導入予定がない企業は、『大企業』の同19.5%(434社)に対して、『中小企業』は同27.4%(2,181社)と高く、制度上の待遇面において企業規模による違いが表れる結果となっている。
また、業界別では『小売』(同38.4%、168社)や『運輸・倉庫』(同29.3%、106社)、『製造』(同27.5%、813社)などが高いのに対し、『建設』(同10.5%、144社)や『不動産』(同12.4%、30社)、『卸売』(同16.1%、535社)などは低い保有割合となっている。非正社員が多い業界で保有割合が高くなっており、正社員化への制度の充実による雇用安定化で消費活性化が期待されると同時に、非正社員の依存度が高かった業界では新たな収益構造を生み出す必要に迫られていくとみられる。
※株式会社帝国データバンク産業調査部情報企画課より許可を得て転載※
■詳細は下記にて
http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/keiki_w0803.pdf
Name avantistaff : 2008年4月21日 10:17
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