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対談
 
 






沖電気工業株式会社
人事部人事課長
山本 均さん
  株式会社アヴァンティスタッフ
人材紹介事業部長
永井一志(2006年当時)


「進取の精神」「未知へチャレンジする意欲」を企業理念とし、沖電気工業(以下、OKI)は通信機器を基盤に120年余の歴史の中で数々の事業展開してきた。そして今、急進的なデジタル化により時代は「ユビキタス・サービス」を実現する社会へ。OKIはこれを「e社会」と呼び、2002年度の中期経営計画から「強い事業構造」の構築を進め、柔軟かつスピーディーな事業運営と、新規事業拡大による収益力の向上に努めている。これに伴いキャリア採用もスタート。“技術=人”を育てるOKIが、「e社会」のキープレーヤーを目指す中で即戦力に期待するものとは何か。人事部人事課長の山本均さんに話を聞いた。

 

激変する時代を生き抜くために

永井 ここ数年、沖電気工業(以下、OKI)では通年かなり幅広いキャリア採用を実施されています。その一番の狙いは何でしょうか。

山本 “自律型人材”を求めて、OKIでは約5年前から本格的なキャリア採用がスタートしました。激しい時代の変化に柔軟かつスピーディーに対応する事業体制づくりを目指し、現在も、新規事業拡大に向けた即戦力人材の確保に注力しています。OKIグループの事業は、通信機器、半導体、プリンタの3つに大きくわかれますが、新たな事業領域ではOKIがこれまで持ち得なかった技術も求められます。そうなると新卒採用からある程度時間をかけて一人前に育てる体制だけではどうしても間に合わない。戦略としてはやはり外部から専門の技能を持った人材を迎え入れることが一番の良策であり、それがキャリア採用の大きな狙いになっています。

永井 キャリア採用による企業内の活性化も含め、新事業への挑戦に前向きであることが伺えます。

山本 確かにOKIも長い間、言われたことをただそのままやっていれば安泰という環境の中にいました。しかし、その環境もこの10年で激変、現在は「企画提案型ビジネス」体制へと方向転換しています。キャリア採用もこれを機に本格的に開始されました。それまでOKIでしか仕事をしたことがない人しかいない職場に、違う考えを持ったキャリア入社者が加わることで職場が活性化され、新しいアイディアや発想が生まれ、それが新たなビジネス提案につながる。キャリア採用を推進する中でこのようなシナジー効果が生まれてきているのも事実です。

永井 事業にあった人材を柔軟に最適配置するということを重視してキャリア採用を積極的に推進しておられるようですがたとえば事業部間の人材の異動も含まれるのでしょうか。

山本 人材の社内異動に関しては、同業他社と比較すると各事業分野の事業人員規模はそんなに大きくないので、わりと人を動かすことができていると思います。必要に応じて戦略的に人的リソースを集約して新しいことに取り組むことができるのも当社の強みではないでしょうか。優秀な人材を囲い込むという風潮が少ないという当社の社風もこうした取り組みに対してプラスに作用していると思います。

永井 そういう意味では、風通しの良いコミュニケーションが非常に取りやすい会社でもあるわけですね。

山本 そうですね。非常に風通しの良いコミュニケーションをとりやすい企業風土だと思います。そういう意味では煩わしい人間関係に気を使う必要がほとんどない日系企業ならではの企業風土のよさのある社風だと思います。お客様や外部の方からは「OKIには嘘がなく誠実で良い人が多い」とよく言われます。

社員1人1人の“自律精神”を尊重した職場環境

永井 キャリア採用はやはり即戦力に大きな期待がかかるところですが、採用するにあたって求職者の真の才能は履歴書だけでは読み切れないものがあると思います。その判断基準についてはいかがですか。

山本 まず、なぜ今の環境を変えようとされているのか。面接ではそこを重視して話を聞いていきます。具体的には、「転職するにあたって何に対してこだわっていきたいとお考えですか?」といった聞き方をするようにしていますね。転職理由はポジティブな面、ネガティブな面の両方あるものですが、最終的にはご本人の「次はこういう環境で働きたい、このような仕事をしたい」という思いに、OKIの企業文化や風土、あるいは入社後担当していただく仕事内容がマッチングするかどうかを見ていきます。入社後のミスマッチを減らすためにも、面接の段階からマッチングは重視して慎重に対応しています。

永井 OKIの企業風土としては例えばどんなことが挙げられるでしょう。

山本 まず、余計なことに気を使わなくてもいいことですね。自分よりもできる人がいればうらやんだりねたんだりするのは人間の本能的な部分、感情の根本にあるものですから、それが全くないということは在り得ない。けれども、「そういう感情を持ったまま人を使うことは管理者としてNGです」という教育をOKIではかなり徹底して行っているのでこのような感情で人を使う管理者が非常に少ないと思います。このような人間関係の煩わしさに囚われる心配がすくないので、仕事内容が自分のやりたいことと上手くマッチングしていれば、理想的な職場だと思います。

永井 それは素晴らしいですね。キャリア採用の方がOKIの社風を知るための研修などもありますか。

山本 まず入社前にOKIの企業文化を知っていただくためのWEBコンテンツを用意しています。そのURLは入社が決まった時点でお送りし入社前に一通り目を通していただくようお願いしています。入社当日には基本的な規則説明をする半日研修と、担当領域によっては別途レクチャーを行う場合もあります。また、半年から1年以内には同時期にキャリア採用された方を集めての研修も実施。そこでは理念的レクチャーのほか、困っていることなどのヒアリングを行い、研修の締めとしてちょっとした懇親会も開いています。キャリア採用の場合は新卒と違って同期の絆をつくる機会が少ないのでこの懇親会は非常に好評ですね。

永井 きちんと充実した研修制度があるのは安心ですね。合わせてお聞きしますと、例えばキャリア採用の方が途中で別の領域に興味を持った場合、本人の自己申告的な異動というのは許されているのでしょうか。

山本 年に一度、上司と面談の場を持つ制度があります。もちろん100%受諾されことを約束しているわけではありませんが、希望は必ず言うことができる制度になっていますね。あと、“FA制”と呼んでいる「社内求人制度」もありますので、随時確認できる募集内容を見て自主的に受けることも可能ですよ。

“ベースの技術”と“人”を大事に育てる風土

永井 キャリア採用においてOKIが人材紹介会社に期待するものは何でしょうか。

山本 もともとOKIはBtoB企業で一般的に名前が通っていない上、PRが苦手。知名度の低さゆえに、潜在的にマッチングが非常に高い方であっても候補に挙がらず、応募につながってこないケースが非常に多い。会社に備わっている本質的な良さが世の中に伝えきれていないという残念な実状があります。ですので、まずはOKIがどういう会社なのかを、求職者の方々にPRする仲介役を期待しています。

永井 適材を発掘するためにも大事なことですね。実際に応募される方は、同業他社の技術経験者が多いのでしょうか。

山本 必ずしもそうとはいえないのが実情です。OKIよりも規模の大きな同業他社に比べるとOKIは一人一人に任せる仕事の範囲が広いようです。特に開発系の職種になると当社の場合、エンジニアが実際の開発そのものに取り組むことになるのですが、大手の電機メーカーの場合はこの部分を外注しており、そこの技術者は開発そのものを経験していないケースが多いようです。残念ながら実際の開発のご経験やノウハウがない方は即戦力人材としてはなかなか難しい。逆に、大手の同業他社の外注先で開発業務をなさっていた方の中にはセンスもあり経験もノウハウも豊富に持った人が時々いらっしゃいます。そのために、ピンとくる人がいると、たとえ転職回数が多くても履歴書だけで判断せず、必ず一度会って話を聞かせていただくようにしています。そのあたりのキャッチアップは紹介会社のコンサルタントの腕に助けられることが多いですね。その技術分野の実際の開発経験があるコンサルタントの方というのは、やはりピンポイントでニオイを嗅ぎわける力がある方が多く、そういう方に担当していただくと、非常に上手くキャッチアップしてご紹介いただくので成約率も高い。紹介会社への信頼感というのも、こうしたコンサルタントの方々の力量に左右される部分は大きいですね。

永井 そのとおりですね。我々もそういったニオイの嗅ぎわけは、さらに強化を図っていきたいと思います。また、アヴァンティ・スタッフの登録者の中には高齢層で優秀な方々も多くいらっしゃいます。最後にOKIの定年延長制度についてお聞かせください。

山本 OKIでは職種を限定せず、もともと人事制度なかに専門性を重視した「スペシャリティ」という考え方を持っています。もちろん本人の意向もありますが、年齢を超えてもOKIで実力を発揮していただける「スペシャルティ」を持った方であれば、定年は考えずに柔軟に対応していきましょうという体制はすでに定着しています。これも先に述べた“余計なことを心配しなくてもいい”社風につながると思います。OKIが長い歴史のなかで積み上げてきた“ベースの技術”を作っているのは“人”です。常に人が新しいものを生み出し、それが新しい技術となって世の中を進化させていく。だからこそOKIには“ベースの技術”と共に“人”を大切に育てる風土が定着したのだと思います。実は私も転職組の一人ですが、外を知るからこそ、それがOKIの魅力の根幹であることがわかります。こういったことはまだまだ世の中には知られていないので、ぜひ人材紹介会社にはOKIの実の部分を深くご理解いただき、企業PR、人材のより良いマッチングに力添えいただければと思います。
 
 
 
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